脊柱管狭窄症の特徴と対策 〜「歩くと足がしびれる」は、背骨からのサインかもしれません〜
はじめに:「歩くと足がしびれる」その症状、見過ごしていませんか?
「しばらく歩くと、足がしびれて休みたくなる」
 「立っていると腰や太ももが重だるい」
 「前かがみになると楽になる」
このような症状がある方は、脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)の可能性があります。
脊柱管狭窄症は、背骨の中にある神経の通り道(脊柱管)が狭くなり、神経が圧迫されることで起こる病気です。
 特に中高年の方に多く、加齢による背骨の変化が主な原因とされています。
この記事では、脊柱管狭窄症の特徴・診断・整形外科での治療と予防について、あおと整形外科クリニックでの対応も交えて、わかりやすく解説します。
脊柱管狭窄症とは?
神経の通り道が狭くなって起きる“しびれと痛み”
背骨の中には「脊柱管」と呼ばれる神経のトンネルがあります。
 このトンネルが、骨や靭帯の変形、椎間板の膨らみなどにより狭くなることで、神経が圧迫されて痛みやしびれが起こります。
よく見られる症状
- ・ 腰やお尻の痛み・重だるさ
 
- ・ 太もも・ふくらはぎのしびれ
 
- ・ 長距離を歩けない(間欠性跛行)
 
- ・ 前かがみで楽になる
 
- ・ 足の感覚が鈍くなる・力が入りにくい
座って休むと症状が軽くなり、歩くと再びしびれる、というパターンが特徴的です。
主な原因とリスク要因
▪️加齢による変化
50代以降の方に多く、加齢に伴う以下の変化が影響します。
- 
▪️椎間板の膨らみ 
- 
▪️黄色靭帯の肥厚 
- ▪️骨の変形(骨棘形成)
 
▪️背骨への負担
- 長年の重労働や無理な姿勢
 
- 
▪️背骨の疾患歴(椎間板ヘルニア、側弯症など) 
 
検査と診断方法
▪️問診・視診
- ・ 症状の出る動作や範囲を丁寧に確認
 
- ・ 神経の反応や筋力のチェック
 
▪️画像検査
- 
▪️レントゲン検査 
- 骨の変形や配列の確認
 
- 
▪️MRI検査 
- 脊柱管の狭窄状態・神経の圧迫部位を可視化
あおと整形外科クリニックでは、必要に応じて連携先でのMRI検査も案内しています。
整形外科での治療方法
▪️保存療法(手術をしない治療)
▪️薬物療法
・ 消炎鎮痛薬(NSAIDs)
・ 神経障害性疼痛治療薬
・ 血流改善薬(プロスタグランジン製剤など)
▪️リハビリ・物理療法
- 
▪️運動療法 
- ・ 体幹・下肢筋力トレーニング
- ・ ストレッチ・姿勢指導
▶︎ あおと整形外科クリニックでは、理学療法士による個別リハビリを通じて、症状緩和と再発防止をサポートしています。
▪️手術療法
以下のような症状が進行した場合は、手術の適応となることがあります。
- ・歩行距離が極端に短い
 
- ・排尿障害や強い筋力低下
 
- ・保存療法で改善が見られない
当院では、必要に応じて専門病院への紹介・連携も行っています。
再発予防・日常生活でできる対策
▪️正しい姿勢を意識
- ・ 猫背にならないよう、背筋を伸ばす
 
- ・ 長時間の立ち仕事・座りっぱなしを避ける
 
適度な運動習慣
- ・ ウォーキングや水中運動など、負担の少ない有酸素運動
 
- ・ 無理のない範囲で、体幹筋力を維持・強化
▪️体重管理と栄養
- ・ 腰への負担を減らすための適正体重の維持
 
- ・ ビタミンB群やたんぱく質を意識した食事
放置するとどうなる?
脊柱管狭窄症はゆっくりと進行する病気ですが、放置すると…
- ・ 歩行困難や日常動作の制限
 
- ・ 筋力の低下による転倒リスク
 
- ・ 排尿障害・下肢の感覚障害につながる場合も
症状に気づいた時点で、早めの整形外科受診が大切です。
あおと整形外科クリニックでの対応
当院では、以下のような安心の体制で対応しています。
- ・ 丁寧な問診と画像検査による的確な診断
 
- ・ 薬物療法・リハビリ・ブロック注射などの保存的治療
 
- ・ 再発防止のための生活指導と継続サポート
「年齢のせいだから仕方ない」と我慢せず、まずはお気軽にご相談ください。
【FAQ】よくある質問
Q1. 脊柱管狭窄症は自然に治りますか?
自然に完全治癒することは少ないため、症状に応じた治療が必要です。
Q2. 歩くとしびれてくるのはなぜ?
歩行時に背筋が伸びて脊柱管が狭くなり神経が圧迫されるためです。
Q3. リハビリで良くなることはありますか?
多くの方が姿勢の見直しや筋力強化で症状の改善を実感しています。
Q4. 手術をしないと治らないのでしょうか?
多くの場合、保存療法で十分な改善が可能です。手術は症状が重い場合の選択肢です。
Q5. 整形外科と整骨院の違いは?
整形外科では医学的な検査と診断に基づく治療を行い、状態に応じて最適な方法を選択できます。
📚 参考文献
- ▪️日本整形外科学会「腰部脊柱管狭窄症」
 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/lumbar_spinal_stenosis.html
 
- ▪️健康長寿ネット「腰部脊柱管狭窄症」
 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/sekityukankyousakushou/about.html
 
- ▪️MSDマニュアル家庭版「脊柱管狭窄症」
 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/08-%E9%AA%A8-%E9%96%A2%E7%AF%80-%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%85%B0%E7%97%9B%E3%81%A8%E9%A6%96%E3%81%AE%E7%97%9B%E3%81%BF/%E8%85%B0%E9%83%A8%E8%84%8A%E6%9F%B1%E7%AE%A1%E7%8B%AD%E7%AA%84%E7%97%87
 
🔖 監修者情報
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)
変形性膝関節症の症状と治療法 〜つらい膝の痛みと、上手につきあうために〜
はじめに:階段の昇り降りがつらい…それ、変形性膝関節症かもしれません
「朝起きたとき、膝がこわばる」
「階段を降りるときに膝が痛む」
「正座ができなくなった」
そんな症状でお悩みの方は、変形性膝関節症(へんけいせいしつかんせつしょう)の可能性があります。この病気は、中高年を中心に多く見られる膝の軟骨がすり減っていく疾患で、放置すると痛みや変形が進行してしまうこともあります。
この記事では、変形性膝関節症の特徴・原因・治療法について、整形外科での対応を含めてわかりやすく解説します。あおと整形外科クリニックでは、画像検査による正確な診断と段階に応じた治療提案を行っており、症状に合わせたリハビリや生活指導を行っています。
変形性膝関節症とは?
膝の軟骨がすり減ることで起きる“関節の老化”
膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある関節で、軟骨がクッションの役割を果たしています。しかし、加齢や使いすぎにより軟骨がすり減ると、骨同士がぶつかるようになり、炎症や変形、痛みを引き起こすのが変形性膝関節症です。
変形性膝関節症の主な症状
- ・ 朝起きたときに膝がこわばる
- ・ 階段の昇り降りが痛い
- ・ 膝を曲げ伸ばしすると音が鳴る(ゴリゴリ)
- ・ 正座やしゃがむ動作がしづらい
- ・ 膝の腫れや熱感
- ・ O脚気味になってきた
進行すると、関節の変形や歩行障害、安静時の痛みなども見られるようになります。
原因とリスク要因
▪️性別によるリスク
特に50歳以降の女性に多く、閉経後のホルモン変化が影響するといわれています。
▪️肥満や運動不足
体重が膝に大きな負担をかけます。運動不足による筋力低下も進行を早める要因です。
▪️過去のケガや膝の使いすぎ
スポーツや転倒などの膝の外傷歴、正座や階段の多い生活習慣もリスクになります。
どんな検査をするの?
あおと整形外科クリニックでは、以下のような検査を通じて診断を行います。
▪️X線検査(レントゲン)
膝の関節間の狭まりや骨の変形、骨棘(こつきょく)の有無などを確認します。
▪️MRI検査(必要に応じて)
関節軟骨や半月板の状態、炎症の有無など、より詳細な情報が得られます。
治療方法:症状の段階に合わせて
▪️保存療法(手術以外の治療) 初期〜中期の方におすすめされる治療です。
1. 薬物療法
- ・ 消炎鎮痛薬(内服・外用)
- ・ ヒアルロン酸の関節注射
2. 理学療法(リハビリ)
- ・ 太ももの筋肉(大腿四頭筋)強化
- ・ ストレッチや歩行訓練
- ・ 電気療法や温熱療法
3. 装具療法
- ・ 膝にかかる負担を軽減するサポーターや足底板
- ・ 電気療法や温熱療法
4. 再生医療
- ・ PRP療法などで関節内の炎症を抑え、軟骨修復を促す治療
 ※当院では症状に応じて提案しています
あおと整形外科クリニックでは、理学療法士による個別リハビリを通じて、無理なく機能改善を目指します。
▪️手術療法(重度の場合)
- ・ 高位脛骨骨切り術(骨の角度を調整)
- ・ 人工膝関節置換術(人工関節に置き換える)
日常生活に大きな支障がある方や、保存療法で改善が見られない方が対象となります。当院では必要に応じて連携病院への紹介を行っています。
日常生活でできる予防とケア
▪️体重管理
1kgの増加が膝に数倍の負担をかけるといわれています。適正体重の維持が予防の第一歩です。
▪️筋力トレーニング
膝の安定には太ももの筋肉(大腿四頭筋)の強化が効果的。無理のない範囲で継続を。
▪️正しい姿勢と動作習慣
- ・ 和式より洋式の生活スタイルへ
- ・ 長時間の正座を避ける
- ・ 階段は手すりを使用
放置するとどうなる?
変形性膝関節症を放っておくと、以下のようなリスクがあります。
- ・ 関節の変形が進行し、歩行困難に
- ・ 慢性的な痛みや腫れにより生活の質が低下
- ・ 最終的に人工関節手術が必要になることも。早期に対処することで進行を抑え、手術を回避できる可能性もあります。
あおと整形外科クリニックでの対応
当院では、次のような包括的な対応を行っています。
- 的確な診断と段階に応じた治療提案
- 理学療法士と連携したオーダーメイドリハビリ
- 日常生活の動作指導やセルフケアの支援
「歳のせいだから仕方ない」とあきらめる前に、まずは一度ご相談ください。
【FAQ】よくある質問
Q1. ヒアルロン酸注射は毎回必要ですか?
症状によりますが、数回の注射で効果が出る方もいます。医師が状態を見ながら判断します。
Q2. リハビリはどのくらいの頻度で行うのが良いですか?
週1〜2回程度から始める方が多いです。症状や目的に応じて調整します。
Q3. 正座はしてはいけませんか?
症状がある間は避けた方が良いです。改善後も負担の少ない姿勢を心がけましょう。
Q4. 予防のための運動は何がおすすめですか?
ウォーキング、スクワット、階段昇降などが効果的ですが、痛みの出ない範囲で行うことが大切です。
Q5. 手術しないと治らないですか?
多くの方が保存療法とリハビリで改善しています。手術は最終手段です。
📚【参考文献】
- ▪️日本整形外科学会「変形性膝関節症」
 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/knee_osteoarthritis.html
- ▪️健康長寿ネット「変形性膝関節症」
 https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/henkeiseikansetsushou/about.html
- ▪️MSDマニュアル家庭版「変形性膝関節症」
 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/08-骨-関節-筋肉の病気/関節の病気/変形性関節症
🔖【監修者情報】
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)
骨粗しょう症の早期発見と予防 〜知らないうちに進行する骨の病気を防ぐために〜
はじめに:転んで骨折、それが「はじまり」かもしれません
「ちょっとした段差で転んで、骨にヒビが…」
 「背中が曲がってきた気がする」
こうした変化の裏に潜んでいるのが、**骨粗しょう症(こつそしょうしょう)**です。
骨粗しょう症は、骨の密度(骨密度)が減ってスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。高齢の女性に多いイメージがありますが、実は40代から静かに進行しているケースも少なくありません。
この記事では、骨粗しょう症の特徴や早期発見の重要性、あおと整形外科クリニックでの検査・予防の取り組みについて、医師の視点でやさしく解説します。
骨粗しょう症とは?
骨の構造と代謝のバランスが崩れる病気
人の骨は常に「壊す(骨吸収)」と「作る(骨形成)」を繰り返しており、このバランスが保たれることで骨の強さが維持されます。
 しかし、加齢やホルモンの変化、生活習慣の乱れなどによりバランスが崩れると、骨がもろくなってしまうのです。
なぜ骨粗しょう症になるのか? 〜主な原因〜
▪️加齢と閉経
特に女性は閉経後、骨を守る役割を果たしていた**女性ホルモン(エストロゲン)**が急激に減少することで、骨密度が大きく下がります。
▪️栄養不足・運動不足
- ・ カルシウムやビタミンDの不足
 
- ・ 運動不足による骨への刺激不足
▪️喫煙・過度の飲酒・ステロイド薬の長期使用
これらも骨の代謝に悪影響を与える要因です。
骨粗しょう症の症状とリスク
自覚症状が少ない「サイレントディジーズ」
初期の骨粗しょう症にはほとんど自覚症状がありません。
 「気づいたときには骨折していた」というケースが多く、背骨の圧迫骨折や大腿骨の骨折などは、寝たきりの原因にもなり得ます。
こんな方は要注意!
- ・ 50歳以上の女性(特に閉経後)
 
- ・ 両親が骨粗しょう症や骨折歴あり
 
- ・ 腰や背中が丸くなってきたと感じる
 
- ・ 身長が以前より縮んだ
 
- ・ 体重が減ってきた
 
- ・ 長期にわたりステロイド薬を使用中
骨粗しょう症の検査方法
あおと整形外科クリニックでは、簡単・正確な骨密度検査を行っています。
▪️骨密度検査(DXA法)
骨の中でも腰椎や大腿骨の骨密度を計測。最も信頼性の高い方法とされ、早期発見に有効です。
▪️血液検査
カルシウム、ビタミンD、骨代謝マーカーなどを測定し、骨の状態を総合的に評価します。
治療と予防:整形外科でできること
▪️薬物療法
症状やリスクに応じて、以下のような薬剤を処方することがあります。
- 
▪️骨吸収抑制薬(ビスホスホネートなど) 
 
- 
▪️骨形成促進薬(副甲状腺ホルモン製剤など) 
 
- 
▪️活性型ビタミンD3製剤 
 
あおと整形外科クリニックでは、副作用や体調を見ながら、最適な治療薬を提案しています。
自分でできる予防習慣
▪️食生活のポイント
- ・ 牛乳・ヨーグルト・小魚などのカルシウム
 
- ・ サケ・キノコ・日光浴などでビタミンD
 
- ・ 筋肉を支えるたんぱく質も忘れずに
 
▪️運動のポイント
・ ウォーキング、軽い筋トレ、ストレッチなどの荷重運動
- ・ 転倒しにくい体づくりが、骨折予防につながります
骨粗しょう症を放置するとどうなる?
- ・ 背骨がつぶれる→身長が縮む・腰が曲がる
 
- ・ 骨折をきっかけに寝たきりに
 
- ・ 慢性的な痛みや生活動作の制限
高齢者の転倒→骨折→寝たきりという流れは、骨粗しょう症が引き金になることが多くあります。
あおと整形外科クリニックでの取り組み
当院では以下のような体制で、骨粗しょう症の早期発見・予防に取り組んでいます。
- ・ DXA法による正確な骨密度検査
 
- ・ 医師・リハビリスタッフによる予防指導
 
- ・ 生活習慣の見直しと定期フォロー
「年齢のせい」と諦める前に、気軽なチェックから始めてみませんか?
【FAQ】よくある質問
Q1. 骨密度検査は痛いですか?
まったく痛みはありません。5〜10分ほどで終わる検査です。
Q2. 骨粗しょう症は男性もなりますか?
女性に多いですが、男性でも高齢になると発症リスクは上がります。
Q3. 骨粗しょう症の薬は一生飲み続けるのですか?
状態により異なります。定期的に効果を評価し、変更や中止の判断を行います。
Q4. サプリメントだけで予防できますか?
食品やサプリで補うことも大切ですが、運動や検査、医師の判断も重要です。
Q5. 健康診断で見つかることもありますか?
骨密度検査が含まれていない限り、健康診断だけでは見逃されやすい病気です。
📚 参考文献
- ▪️日本整形外科学会「骨粗鬆症」
 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/osteoporosis.html
 
- ▪️e-ヘルスネット「骨粗しょう症」
 https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/food/ye-043.html
 
- ▪️MSDマニュアル家庭版「骨粗しょう症」
 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/08-%E9%AA%A8-%E9%96%A2%E7%AF%80-%E7%AD%8B%E8%82%89%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E9%AA%A8%E7%B2%97%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E7%97%87/%E9%AA%A8%E7%B2%97%E3%81%97%E3%82%87%E3%81%86%E7%97%87
 
🔖 監修者情報
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長
五十肩(肩関節周囲炎)とは?原因・症状・治療・リハビリまで解説|岐阜市のあおと整形外科
「最近、肩が上がりづらい」「夜になると肩がズキズキと痛む」――そんなお悩みはありませんか?
40〜60代に多く見られる「五十肩(肩関節周囲炎)」は、放っておくと痛みや可動域の制限が長引くことがあります。この記事では、五十肩の原因や症状、治療法、リハビリの内容について、岐阜市のあおと整形外科クリニックがわかりやすく解説します
五十肩(肩関節周囲炎)とは?
五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患で、肩の関節やその周囲の組織(筋肉・靭帯・関節包など)に炎症が起こることで、痛みと可動域の制限が生じる状態です。
 「四十肩」とも呼ばれることがありますが、これは年齢層の違いによる俗称で、医学的には同じ病態とされています。
肩が思うように動かせず、腕を上げる、後ろに回す、服を着るといった日常動作に支障が出るのが特徴です。
五十肩の原因と発症の仕組み
五十肩の明確な原因はまだ解明されていませんが、加齢に伴う組織の変性が大きく関係しているとされています。
肩関節は人体の中でもっとも可動域が広い関節であり、常に多くの筋肉や腱が複雑に連携して動いています。40代以降になると、これらの組織が硬くなったり血流が悪くなったりすることで、炎症が起こりやすくなります。
また、日常生活での姿勢や使い方(例:長時間のデスクワーク、片側の肩ばかり使う動作など)も、発症の引き金になることがあります。
五十肩の症状と進行ステージ
五十肩は、以下の3つのステージに分けて経過をたどることが多いです。
① 炎症期(急性期)
- ・ 夜間痛が強く、じっとしていても痛む
 
- ・ 動かすと鋭い痛みが走るため、可動域が制限される
 
- ・ 睡眠が妨げられることもある
② 拘縮期(慢性期)
- ・ 炎症は落ち着くが、関節の動きが硬くなる
 
- ・ 洗髪や背中に手を回す動作が困難になる
 
- ・ 痛みは軽くなるが、日常動作の不自由さが目立つ
③ 回復期
- ・ 徐々に痛みが和らぎ、可動域が戻ってくる
 
- ・ リハビリにより、関節の柔軟性と筋力を回復できる
 
※ただし個人差が大きく、数ヶ月で回復する人もいれば、1年以上かかるケースもあります。
五十肩の診断方法と受診タイミング
五十肩の診断には、問診と診察、X線や超音波検査などの画像診断を用います。他の疾患(腱板断裂、石灰沈着性腱炎、関節リウマチなど)との鑑別が重要です。
以下のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- ・ 肩を動かすと強い痛みがある
 
- ・ 夜間痛が続き、眠れない
 
- ・ 洗髪や服の着脱がつらい
 
- ・ 数週間以上痛みが続いている
あおと整形外科では、丁寧な問診と画像診断に基づき、患者様一人ひとりに合わせた治療プランをご提案します。
五十肩の治療法とリハビリ内容
五十肩の治療は、基本的に保存的治療(手術をしない方法)が中心です。
◆ 薬物療法
- ・ 消炎鎮痛薬(内服・外用)で炎症と痛みを軽減します。
◆ 注射療法
- ・ 痛みが強い場合には、関節内へのステロイド注射が効果的です。
 ・ 短期間の痛みの緩和に有効で、リハビリの開始をスムーズにします。
 
◆ リハビリテーション
- ・ 炎症期は安静を保ちつつ、徐々に可動域訓練(ROM訓練)を開始
 
- ・ 拘縮期以降はストレッチや筋力トレーニングを実施
- 当院では、理学療法士によるマンツーマンの運動療法を提供しています
 無理のない範囲で、段階的にリハビリを進めることが、早期回復の鍵です。
日常生活で気をつけたいポイント
- ・ 痛みが強いときは無理に動かさず、肩を冷やしすぎないよう注意
 
- ・ 洗濯物干しや高所作業など、肩を使いすぎる動作は控えめに
 
- ・ 痛みが軽減してきたら、適度な体操やストレッチを継続
あおと整形外科では、生活指導や自宅でできる運動メニューもご提案しています。
あおと整形外科での診療とサポート体制
- ・ 岐阜市内でも数少ない、理学療法士が常駐する整形外科として、五十肩への専門的なリハビリが可能
 
- ・ 画像診断・薬物治療・運動療法まで一貫した対応が可能
 
- ・ 地域に根差した医療で、患者さまの生活に寄り添ったケアを提供しています
まとめ
五十肩は年齢のせいと我慢してしまいがちですが、早期の診断と適切な治療によって、回復期間を短縮することができます。
 「これって五十肩かも?」と感じたら、まずはお気軽にあおと整形外科にご相談ください。
❓【FAQ】
Q1. 五十肩は放っておいても治りますか?
- 自然に治ることもありますが、回復には1年以上かかる場合もあります。痛みが強い・動かしづらいなどの症状が続く場合は、早期の受診と適切なリハビリが重要です。
Q2. 五十肩と他の肩の病気はどう見分けるのですか?
- 医師による問診・身体診察に加え、X線や超音波などの画像診断を行い腱板断裂や石灰沈着性腱炎など他の疾患の有無の確認をおこないます。
Q3. リハビリは痛いと聞きますが、大丈夫ですか?
-  当院では痛みの程度に合わせて無理のないリハビリプランを作成します。                     
 段階的な運動療法で、安全に機能回復を目指します。
Q4. 五十肩は再発することがありますか?
-  再発することはあります。                                                                                                 
 そのために日常生活での姿勢や運動習慣が重要と考えています。
Q5. 何科を受診すればいいですか?
- 整形外科が適切です。特に理学療法士のいるクリニックでは、診断からリハビリまで一貫して対応できます。
📚【参考文献】
- ▪️日本整形外科学会「肩関節周囲炎(五十肩)」
 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html
 
- ▪️MSDマニュアル「肩関節周囲炎」
 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル
 
- ▪️厚生労働省 e-ヘルスネット「五十肩」
 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-012.html
 
🔖【監修者情報】
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)
頚椎症と整形外科での対応
はじめに:肩こりや手のしびれ、もしかして頚椎症かも?
「最近、首や肩が重だるい」「手先にしびれが出てきた」——そんな症状が続いている方、それは単なる疲れや肩こりではなく、**頚椎症(けいついしょう)**という病気のサインかもしれません。
頚椎症は、首の骨(頚椎)が加齢や日常の姿勢などで変形し、神経を圧迫することで、首の痛みや手足のしびれなどを引き起こす疾患です。
この記事では、頚椎症の原因や症状、検査・治療の内容、そして整形外科での適切な対応について、医師がやさしく解説します。
 あおと整形外科クリニックでは、丁寧な診察と画像検査による正確な診断、一人ひとりに合ったリハビリや生活指導を通じて、患者さまの不安や痛みに寄り添っています。
頚椎症とは?
頚椎の仕組みと加齢による変化
首の骨である「頚椎」は7つの椎骨から成り立ち、背骨の一部として頭を支え、神経の通り道である脊髄を保護しています。
 加齢や長年の姿勢負担により、椎間板の変性や**骨の変形(骨棘)**が起こると、神経の圧迫が生じることがあります。これが「頚椎症」です。
▪️頚椎症の主な症状
症状は大きく2つに分かれます。
1. 頚椎症性神経根症
- ・ 片側の首・肩・腕の痛み
 ・ 手のしびれ
 
- ・ 動かしづらさ
2. 頚椎症性脊髄症
- ・ 両手足のしびれ
 
- ・ 歩行時のふらつき
 
- ・ ボタンがかけづらい、箸が使いづらい など
 
神経根症は神経の枝への圧迫、脊髄症は中枢神経である脊髄の圧迫が原因です。特に脊髄症は進行性のため、早期診断・対応が重要です。
原因とリスク因子
- ・ 加齢(40代以降に増加)
 
- ・ 長時間のデスクワークやスマホ操作
 
- ・ スポーツや重労働による首の酷使
 
- ・ 姿勢の悪さ(猫背など)
頚椎症の診断方法
あおと整形外科クリニックでは、以下の流れで診察を行っています。
▪️問診と触診
症状の経過、痛みの部位、しびれの範囲などを詳しく伺い、神経の状態を確認します。
▪️画像検査
- ・ X線検査(レントゲン):骨の変形や椎間の狭まりを確認
 
- ・ MRI検査:神経や脊髄への圧迫の有無を詳細に把握
 
症状が軽度でも、画像で明らかに異常がみられることもあります。
治療法と整形外科での対応
▪️保存療法(手術を行わない治療)
- 
▪️薬物療法 - 消炎鎮痛薬や筋弛緩薬で痛みを和らげる 
- 
▪️運動器リハビリ・物理療法 
  - 首まわりのストレッチや温熱療法
  - 筋力強化等による姿勢改善
▪️生活指導
  - 正しい姿勢の維持
  - 枕の見直しや作業姿勢の改善
あおと整形外科クリニックでは、理学療法士によるマンツーマンの運動療法を通じて、無理のない範囲で症状改善をサポートしています。
手術療法が必要な場合
- ・ 症状が進行し日常生活に支障が出ている
 
- ・ 保存療法で改善が見られない
 
- ・ 筋力低下や歩行障害が進んでいる
 
このような場合は、専門医と連携し手術を含めた高度医療機関への紹介も行っています。
予防とセルフケアのポイント
- ・ 正しい姿勢を意識する(背筋を伸ばす・うつむき時間を減らす)
 
- ・ 枕の高さ・形を調整する
 
- ・ 首肩のストレッチを習慣化
 
- ・ 定期的な運動(ウォーキング・体操)
頚椎症を放置するとどうなる?
頚椎症は自然に軽快することもありますが、脊髄症に進行すると手術が必要になる場合もあります。
 初期症状のうちに、整形外科で適切な評価・管理を受けることが、将来的な悪化防止につながります。
あおと整形外科クリニックでの取り組み
当院では、患者さま一人ひとりの状態に合わせた診療を大切にしています。
・ X線検査・MRI検査を用いた的確な診断
・ リハビリスタッフとの連携による機能回復支援
・ 再発予防を意識した日常生活指導
首の痛みやしびれに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
【FAQ】よくある質問
Q1. 頚椎症は自然に治りますか?
軽度であれば自然軽快することもありますが、症状が続く場合は早めの受診が望ましいです。
Q2. MRI検査は必ず必要ですか?
神経の圧迫具合を確認するために有用です。必要かどうかは診察時に判断します。
Q3. 手術が必要になるケースはどんなときですか?
筋力低下や歩行困難など、神経症状が進行した場合には手術が検討されます。
Q4. スマホの使いすぎで悪化しますか?
うつむいた姿勢が続くと頚椎に負担がかかり、症状が悪化することがあります。
Q5. どんなリハビリをしますか?
首周辺のストレッチや筋力強化、姿勢改善指導を中心に行います。無理のない範囲で進めます。
📚 参考文献
▪️日本整形外科学会「頚椎症」 
https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_012.pdf
🔖 監修者情報
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)
腱板損傷とその治療法とは?|岐阜市で肩の痛みが気になる方へ
腱板断裂とは?
腱板とは、肩の骨(上腕骨)を肩甲骨のくぼみに安定させる4つの筋肉(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)と腱の集合体です。これらが協調して働くことで、腕をスムーズに動かすことができます。
腱板断裂とは、この腱の一部またはすべてが切れてしまう状態のことを指します。一度損傷すると自然にくっつくことはなく、症状が進行すると腕を上げられない・力が入らないといった日常生活への影響が大きくなります。
原因と発症のメカニズム
▪️外傷性(急性)
- ・ 転倒して肩を強打した
- ・ 重い荷物を無理に持ち上げた
- ・ スポーツ中に肩を強くひねった
比較的若い世代でも起こり得ます。
▪️変性(加齢性)
- 加齢とともに腱がもろくなり、日常の動作の繰り返しで徐々に切れていくタイプ
- 40代以降に多く、特に60代以上の男性に多発
- 明確なきっかけがなく、「気づいたら腕が上がらない」というケースも
初期の違和感や軽い痛みを放置すると、切れ目が大きくなってしまうことがあります。
症状の特徴と五十肩との違い
| 項目 | 腱板断裂 | 五十肩 | 
|---|---|---|
| 発症 | 外傷・加齢など明確な原因あり | 特にきっかけがない | 
| 痛み | 動かすとズキンと痛む/力が入らない | 夜間痛が強い/動かすと鈍痛 | 
| 可動域 | 腕を上げようとすると“力が入らない” | 痛みで可動域が制限される | 
| 回復 | 保存療法や手術が必要になることも | 多くは自然経過+リハビリで回復 | 
| 検査 | 超音波/MRIで断裂を確認 | ― | 
診断方法と受診の目安
腱板断裂は、問診・視診・動作テスト・画像診断により正確に診断されます。
診察の流れ
- ・ 症状の経緯・日常で困っている動作を確認
- ・ 腕の動き・肩の高さ・左右差などを診る
- ・ 超音波検査またはMRI検査で腱の断裂の有無・範囲を確認
以下のような症状がある方は早めの受診をおすすめします
- ・ 腕を上げようとすると“スッと力が抜ける”感じがする
- ・ 夜間に肩の痛みで目が覚める
- ・ 洋服の着脱や洗髪がつらくなってきた
- ・ 肩を打った後、痛みが続いている
早期診断・早期対応が、腱板断裂では特に重要です。
腱板断裂の治療法(保存療法・手術)
▪️保存療法(手術以外の方法)
- ・ 消炎鎮痛薬・湿布などの薬物療法
- ・ 肩の負担を減らす動作指導・生活指導
- ・ リハビリテーション
痛みが軽度で、日常生活に大きな支障がない場合は保存療法で経過を見ることができます。
▪️手術療法
- 完全断裂、または保存療法で改善が見込めない場合に検討
- 主に関節鏡視下手術(内視鏡)による腱板縫合が行われます
- 術後もリハビリが必須で、数ヶ月かけて機能を回復させていきます
リハビリと日常生活での注意点
腱板断裂の治療において、リハビリテーションは非常に重要です。
当院でのリハビリの流れ
- ・ 急性期は痛みを抑えつつ、動かせる範囲での訓練からスタート
- ・ 拘縮予防のため、可動域訓練(ROM訓練)を行う
- ・ 痛みが落ち着いてきたら筋力強化、姿勢改善、動作指導へ移行
日常生活でのポイント
- ・ 腕を無理に動かさない
- ・ 重い物を持ち上げない
- ・ 長時間の同じ姿勢を避ける
- ・ 痛みがある側の肩を下にして寝ない
あおと整形外科での診療体制
- 正確な画像診断(エコー・MRI紹介)
- 医師・理学療法士によるチーム対応
- 患者さまの生活スタイルに合わせた治療選択
を通じて、腱板断裂の早期回復と再発予防をサポートしています。
まとめ
肩の痛みや違和感は、放っておくと回復までの時間が延びるだけでなく、日常生活に大きな支障をもたらします。
「腕が上がらない」「力が入らない」などの症状がある場合は、五十肩ではなく腱板断裂の可能性も。
早めの診断と適切な治療で、元の生活に近づけるサポートができます。
気になる症状がある方は、ぜひ一度あおと整形外科クリニックへご相談ください。
FAQ(腱板断裂に関するよくある質問)
Q1. 腱板断裂と五十肩の違いは何ですか?
腱板断裂は腱が切れてしまう状態で、「力が入らない・腕が上がらない」といった症状が特徴です。五十肩は関節の炎症が主で、夜間痛や動作制限が主体です。画像診断によって区別できます。
Q2. 自然に治ることはありますか?
軽度の断裂であれば保存療法で症状が改善することもありますが、自然に腱が元通りにくっつくことはありません。放置せずに整形外科での評価が必要です。
Q3. 手術をしないと治らないのでしょうか?
状態によっては手術が必要ない場合も多く、まずは薬やリハビリなどの保存療法を行います。症状や生活への影響を踏まえ、必要に応じて手術を検討します。
Q4. リハビリにはどれくらい通う必要がありますか?
症状や治療方針によりますが、数週間〜数ヶ月の継続が推奨されます。当院では患者様の状態に応じたプログラムを理学療法士が作成します。
Q5. 高齢でも治療やリハビリは受けられますか?
はい、年齢にかかわらず安全に行える方法を選択します。特に高齢の方では筋力低下を防ぐため、早期からの対応が大切です。
📚【参考文献】
- ・ 日本整形外科学会「腱板断裂」
 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/rotator_cuff_tear.html
 
- ・ MSDマニュアル「腱板損傷」
 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/プロフェッショナル
 
🔖【監修者情報】
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)
五十肩(肩関節周囲炎)の治療とリハビリ完全ガイド
「最近肩が上がらない」「寝ていると肩の痛みで目が覚める」
 そんな症状にお悩みではありませんか?
 40代以降に多く見られる「五十肩(肩関節周囲炎)」は、ある日突然肩が動かしにくくなったり、夜間痛が強くなったりする疾患です。
 放置すると長期的に関節の動きが悪くなることもあるため、早期の対応が重要です。
この記事では、岐阜市にあるあおと整形外科クリニックが、五十肩の原因・症状・治療法、そして当院で行っているリハビリまでわかりやすくご紹介します。
五十肩(肩関節周囲炎)とは?
五十肩は、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患で、肩の関節を取り囲む筋肉や腱、関節包などの組織に炎症が起き、痛みや動きの制限を引き起こす病気です。
 「四十肩」とも呼ばれることがありますが、これは年齢層による俗称であり、同じ疾患です。
日常生活の中では、「腕が上がらない」「後ろに手が回らない」「服の着脱がつらい」といった症状が現れます。
 主に40〜60代に多く、特に明確な外傷がなく発症するのが特徴です。
五十肩の原因と発症の仕組み
五十肩の直接的な原因ははっきりしていませんが、年齢とともに肩関節周囲の組織が硬くなり、血流が悪くなることが関係していると考えられています。
 また、長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、片側だけに負担がかかる動作などもリスク因子となります。
肩関節は人体の中で最も可動域が広く、複雑な構造をしています。
 その分、炎症や拘縮(動きの制限)を起こすと、動作全体に大きな支障が出やすいのです。
五十肩の症状と進行ステージ
五十肩は以下の3つの時期(ステージ)に分けられ、時間の経過とともに症状が変化していきます。
① 炎症期(急性期)
- 動かさなくてもズキズキと痛む
- 特に夜間痛が強く、眠れないこともある
- 少し動かすだけで鋭い痛みが出る
 
② 拘縮期(慢性期)
- 痛みは軽減してくるが、関節の動きが制限される
 
- 腕を上げたり、背中に手を回す動作が困難になる
 
- 日常生活の不便さが目立つ
 
③ 回復期
- 徐々に可動域が広がり、痛みも軽減してくる
 
- リハビリによって機能回復を促すことができる
 
個人差はありますが、自然に治る場合もあれば、症状が1年~1年半続くケースもあります。
五十肩の診断方法と受診タイミング
診断は、問診・視診・触診・動作テストをもとに行われます。必要に応じて、X線や超音波検査、MRIなどの画像診断を行い、他の肩の疾患(腱板断裂、石灰沈着性腱炎など)との区別をつけます。
以下のような場合は、整形外科の受診をおすすめします。
・数週間以上肩の痛みが続く
・夜間痛が強く、睡眠に支障がある
・腕が上がらない、後ろに手が回らない
・服の着脱や洗髪が困難になっている
放置すると関節が硬くなり、回復に時間がかかるため、早めの受診が大切です。
五十肩の治療法とリハビリ内容
治療の基本は、保存療法(手術をしない方法)です。ステージや症状に応じて、下記のような治療を行います。
◆ 薬物療法
- 消炎鎮痛剤(内服・外用)を用いて痛みを緩和
 
- 状況により、ステロイド剤の注射を行うこともあります
 
◆ 物理療法
- 温熱療法や低周波などで血流改善と痛みの軽減を図ります
◆ リハビリテーション(運動療法)
あおと整形外科では、理学療法士によるマンツーマンのリハビリを実施しています。
- 炎症期:安静を保ちつつ、痛みの出ない範囲で軽い動作訓練
 
- 拘縮期:可動域訓練(ROM訓練)やストレッチ
 
- 回復期:筋力強化や日常生活の動作改善
リハビリは無理をせず、段階的に進めることが回復の鍵です。
日常生活で気をつけたいポイント
- 痛みのあるときは無理に動かさず、安静を優先
 
- 冷やしすぎや温めすぎに注意
 
- 荷物を持つ、洗濯物を干すなど、肩に負担のかかる動作は控えめに
 
- 痛みが落ち着いたら、軽い体操を継続することが再発防止になります
- 
あおと整形外科での診療とサポート体制
岐阜市のあおと整形外科クリニックでは、
・ 丁寧な問診と画像診断による正確な診断
・ 理学療法士による専門的な運動療法
・ 薬物療法・物理療法を組み合わせたオーダーメイド治療
を通じて、患者さま一人ひとりに寄り添ったサポートを行っています。
まとめ
五十肩は「年齢のせい」と我慢しがちですが、放置することで回復に時間がかかる場合もあります。
 早期に整形外科を受診し、症状に合わせた治療とリハビリを受けることで、日常生活の不自由を軽減することができます。
「これって五十肩かも?」と感じたら、まずはお気軽にあおと整形外科へご相談ください。
❓【FAQ(五十肩に関するよくある質問)】
Q1. 五十肩は自然に治りますか?
-  自然に回復することもありますが、可動域の制限や慢性化を防ぐためには、早期に整形外科を受診し、適切な治療やリハビリを受けることが大切です。
 Q2. 肩が痛いのですが、五十肩かどうかは自分で判断できますか? 
- 判断は難しく、腱板断裂や石灰沈着性腱炎など他の疾患の可能性もあります。早めに整形外科で診断を受けることをおすすめします。
- 
Q3. リハビリは痛そうで不安です。大丈夫でしょうか? 
- 痛みの状態や回復ステージに応じて、無理のない範囲で行います。当院では理学療法士が一人ひとりの状態に合わせて丁寧にサポートしますのでご安心ください。
- 
Q4. 五十肩は再発しますか? 
-  再発することはあります。
 そのために日常生活での姿勢や運動習慣が重要と考えています。
- 
Q5. 五十肩は何科を受診すればよいですか? 
- 整形外科での診察が適切です。当院では診断から治療、リハビリまで一貫して対応可能です。
📚【参考文献】
- ・日本整形外科学会「肩関節周囲炎(五十肩)」
 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html
 
 
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🔖【監修者情報】監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長) 

 
 





 


 
 

