はじめに:肩こりや手のしびれ、もしかして頚椎症かも?
「最近、首や肩が重だるい」「手先にしびれが出てきた」——そんな症状が続いている方、それは単なる疲れや肩こりではなく、**頚椎症(けいついしょう)**という病気のサインかもしれません。
頚椎症は、首の骨(頚椎)が加齢や日常の姿勢などで変形し、神経を圧迫することで、首の痛みや手足のしびれなどを引き起こす疾患です。
この記事では、頚椎症の原因や症状、検査・治療の内容、そして整形外科での適切な対応について、医師がやさしく解説します。
あおと整形外科クリニックでは、丁寧な診察と画像検査による正確な診断、一人ひとりに合ったリハビリや生活指導を通じて、患者さまの不安や痛みに寄り添っています。
頚椎症とは?
頚椎の仕組みと加齢による変化
首の骨である「頚椎」は7つの椎骨から成り立ち、背骨の一部として頭を支え、神経の通り道である脊髄を保護しています。
加齢や長年の姿勢負担により、椎間板の変性や**骨の変形(骨棘)**が起こると、神経の圧迫が生じることがあります。これが「頚椎症」です。
頚椎症の主な症状
症状は大きく2つに分かれます。
1. 頚椎症性神経根症
- ・ 片側の首・肩・腕の痛み
・ 手のしびれ
- ・ 動かしづらさ
2. 頚椎症性脊髄症
- ・ 両手足のしびれ
- ・ 歩行時のふらつき
- ・ ボタンがかけづらい、箸が使いづらい など
神経根症は神経の枝への圧迫、脊髄症は中枢神経である脊髄の圧迫が原因です。特に脊髄症は進行性のため、早期診断・対応が重要です。
原因とリスク因子
- ・ 加齢(40代以降に増加)
- ・ 長時間のデスクワークやスマホ操作
- ・ スポーツや重労働による首の酷使
- ・ 姿勢の悪さ(猫背など)
頚椎症の診断方法
あおと整形外科クリニックでは、以下の流れで診察を行っています。
問診と触診
症状の経過、痛みの部位、しびれの範囲などを詳しく伺い、神経の状態を確認します。
画像検査
- ・ X線検査(レントゲン):骨の変形や椎間の狭まりを確認
- ・ MRI検査:神経や脊髄への圧迫の有無を詳細に把握
症状が軽度でも、画像で明らかに異常がみられることもあります。
治療法と整形外科での対応
保存療法(手術を行わない治療)
- 薬物療法
- 消炎鎮痛薬や筋弛緩薬で痛みを和らげる - 運動器リハビリ・物理療法
- 首まわりのストレッチや温熱療法
- 筋力強化等による姿勢改善
生活指導
- 正しい姿勢の維持
- 枕の見直しや作業姿勢の改善
あおと整形外科クリニックでは、理学療法士によるマンツーマンの運動療法を通じて、無理のない範囲で症状改善をサポートしています。
手術療法が必要な場合
- ・ 症状が進行し日常生活に支障が出ている
- ・ 保存療法で改善が見られない
- ・ 筋力低下や歩行障害が進んでいる
このような場合は、専門医と連携し手術を含めた高度医療機関への紹介も行っています。
予防とセルフケアのポイント
- ・ 正しい姿勢を意識する(背筋を伸ばす・うつむき時間を減らす)
- ・ 枕の高さ・形を調整する
- ・ 首肩のストレッチを習慣化
- ・ 定期的な運動(ウォーキング・体操)
頚椎症を放置するとどうなる?
頚椎症は自然に軽快することもありますが、脊髄症に進行すると手術が必要になる場合もあります。
初期症状のうちに、整形外科で適切な評価・管理を受けることが、将来的な悪化防止につながります。
あおと整形外科クリニックでの取り組み
当院では、患者さま一人ひとりの状態に合わせた診療を大切にしています。
・ X線検査・MRI検査を用いた的確な診断
・ リハビリスタッフとの連携による機能回復支援
・ 再発予防を意識した日常生活指導
首の痛みやしびれに不安がある方は、お気軽にご相談ください。
【FAQ】よくある質問
Q1. 頚椎症は自然に治りますか?
軽度であれば自然軽快することもありますが、症状が続く場合は早めの受診が望ましいです。
Q2. MRI検査は必ず必要ですか?
神経の圧迫具合を確認するために有用です。必要かどうかは診察時に判断します。
Q3. 手術が必要になるケースはどんなときですか?
筋力低下や歩行困難など、神経症状が進行した場合には手術が検討されます。
Q4. スマホの使いすぎで悪化しますか?
うつむいた姿勢が続くと頚椎に負担がかかり、症状が悪化することがあります。
Q5. どんなリハビリをしますか?
首周辺のストレッチや筋力強化、姿勢改善指導を中心に行います。無理のない範囲で進めます。
📚 参考文献
日本整形外科学会「頚椎症」
https://www.joa.or.jp/public/pdf/joa_012.pdf
🔖 監修者情報
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)