「腕を上げようとすると肩が痛む」「夜中に肩がズキズキ疼いて目が覚める」――もし、あなたがこのような肩の不調にお悩みなら、それは五十肩(肩関節周囲炎)かもしれません。
五十肩は、放置すると肩の動きが固まってしまい、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。特に岐阜市で肩の痛みにお悩みの方は、我慢せずに整形外科で適切な診断と治療を受けることが大切です。
あおと整形外科クリニックでは、日本整形外科学会専門医である院長のもと、患者様一人ひとりの症状と病期に合わせた最適な治療を提供し、痛みからの解放と肩の機能回復を徹底的にサポートいたします。
五十肩(肩関節周囲炎)とは?進行する3つの病期
五十肩は、一般的に40代から60代に発症する原因不明の肩関節の炎症と、それに伴う可動域制限を伴う病気です。この病気は、主に以下の3つの時期を経て進行します。
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病期 |
特徴的な症状 |
整形外科での対応(急性期~慢性期) |
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1. 急性期(炎症期) |
強い痛みが特徴。特に夜間の痛みが激しく、安静にしていても痛むことがあります。 |
薬物療法(内服薬・外用薬)や注射療法(ステロイドなど)で、まずは「痛みを抑えること」を最優先します。 |
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2. 慢性期(拘縮期) |
痛みは落ち着いてくるが、肩関節の動きが硬くなり、可動域が制限されます。着替えや髪を洗う動作などが困難になります。 |
注射療法やリハビリテーション(運動療法)を積極的に行い、硬くなった関節をほぐして可動域を回復させることを目指します。 |
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3. 回復期 |
痛みも可動域も徐々に改善し、日常生活動作が楽になってくる時期です。 |
リハビリテーションを継続し、肩の機能回復と再発予防のための筋力強化を行います。 |
五十肩は自然に治ることもありますが、長期間放置すると関節が固まり、「凍結肩(フローズンショルダー)」となり、治療に時間がかかる場合があります。違和感を感じたら、早めの受診が早期回復への鍵となります。
あおと整形外科クリニックでできる五十肩の治療
当クリニックでは、五十肩の病期や重症度を正確に判断し、主に手術をしない「保存療法」を中心とした治療を行います。
1. 注射による治療:痛みの早期緩和を目指す
特に痛みが強い急性期や、可動域制限が強い慢性期に非常に有効です。
- ◼︎ハイドロリリース(筋膜リリース)
超音波エコーガイド下で、生理食塩水にごく少量の麻酔薬を混ぜた薬液を、痛みの原因となっている腱板周囲の癒着した組織に注入し、剥がします。体への負担が少なく、辛い痛みや動きの制限を早期に解消する効果が期待できます。(当院では積極的に取り入れています。) - ◼︎ステロイド注射・ヒアルロン酸注射
炎症が強い部位にステロイドを注入して炎症を強力に抑えたり、関節内にヒアルロン酸を注入して潤滑作用を高めたりすることで、痛みの緩和と動きの改善を図ります。超音波エコーを使用し、正確な箇所に注入します。
2. リハビリテーション(理学療法士による運動指導)
五十肩の治療において、リハビリテーションは最も重要な柱の一つです。
- ◼︎運動療法
国家資格を持つ理学療法士が、患者様一人ひとりの状態に合わせた個別のリハビリプログラムを作成・指導します。硬くなった関節包や周囲の筋肉を丁寧にストレッチし、安全な方法で可動域を広げる訓練を行います。 - ◼︎物理療法:温熱療法や電気療法(干渉波など)などの医療機器を使用し、肩関節周囲の血行を改善し、筋肉の緊張を緩和することで、痛みの軽減と運動療法効果の増強を図ります。
- ◼︎セルフケア指導
- ご自宅で安全に行えるストレッチや体操の方法、日常生活での注意点などを丁寧に指導し、治療効果の持続と再発予防を目指します。
3. 薬による治療
痛みや炎症を抑えるために、非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)などの内服薬や、湿布などの外用薬を処方します。特に夜間痛が強い場合は、睡眠を妨げないよう、鎮静作用のある薬を併用することもあります。
五十肩の回復を早めるためのセルフケアと対策
整形外科での専門的な治療に加え、ご自宅でのセルフケアも回復を大きく左右します。
1. 急性期(痛みが強い時期)の対策
- ◼︎安静と固定
- 強い痛みが続く場合は、無理に動かさず、三角巾やサポーターなどで肩を固定し、安静を保ちましょう。
- ◼︎患部の保温
- 炎症が落ち着いている時期は、入浴や温湿布などで肩を温め、血行を良くすることが痛みの緩和に役立ちます。ただし、炎症が強い時期は温めると痛みが増すことがあるため、冷やした方が良い場合もあります。自己判断せず、医師に相談してください。
- ◼︎睡眠時の工夫
- 夜間痛で眠れない場合は、痛い方の腕の下にクッションやタオルを敷いたり、抱き枕を使ったりして、肩への負担が少ない楽な姿勢を探しましょう。
2. 慢性期(動きが硬い時期)の対策
- 指導された体操の継続:理学療法士に指導された通りに、痛みのない範囲で毎日ストレッチや体操を継続することが、可動域回復に不可欠です。
- 日常生活での動作の工夫:硬い動きを無理に行わず、健康な方の腕や体全体を使って動作を補助するように工夫しましょう。
岐阜市で五十肩でお悩みならあおと整形外科クリニックへ
五十肩の治療で最も大切なのは、「正確な診断」と「病期に合わせた適切なアプローチ」です。
あおと整形外科クリニックでは、最新の超音波エコー検査を用いて肩の状態を詳細に把握し、注射、薬、リハビリテーションを組み合わせた統合的な治療計画をご提案します。
「単なる肩こりだろう」「歳だから仕方ない」と諦めずに、岐阜市内で肩の痛みにお困りの方は、ぜひ一度、当クリニックにご相談ください。私たちは、あなたの痛みに寄り添い、快適な日常を取り戻すお手伝いをいたします。
FAQ
Q1:五十肩は自然に治りますか?放置しても大丈夫ですか?
A1:五十肩は多くのケースで自然に治癒に向かう病気ですが、完治までに半年から1年以上かかることが一般的です。特に痛みが強い急性期を過ぎても放置すると、関節が固まって「凍結肩」となり、肩の可動域制限が残ってしまう可能性があります。早期に適切な治療(特にリハビリテーション)を行うことで、回復を早め、後遺症を防ぐことが重要です。
Q2:五十肩の治療で、注射は必ず必要ですか?
A2:注射は必須ではありませんが、急性期で痛みが非常に強い場合や、慢性期で関節の拘縮が強い場合に、痛みを劇的に抑え、リハビリテーションの効果を高めるために有効な治療法です。当院では、体への負担が少ないハイドロリリース注射などを積極的に行っており、患者様と相談の上で最適な治療を選択します。
Q3:五十肩と腱板断裂はどのように見分けますか?
A3:どちらも「肩が上がらない」という症状がありますが、五十肩は関節全体が固まっているため、他人に腕を上げてもらおうとしても上がりません。一方、腱板断裂は腱が切れて自力で力が入らないだけで、他人に動かしてもらえば腕が上がるケースが多いです。当院では超音波(エコー)検査などを用いて、腱の状態を確認し、正確な診断を行います。
Q4:夜間の痛みを和らげるための良い方法はありますか?
A4:夜間の痛み(夜間痛)は五十肩の大きな特徴の一つです。痛みが強い場合は、医師から処方された鎮痛薬を服用することが最も有効です。また、寝る時に痛い方の腕の下にクッションや折りたたんだタオルを敷き、肩関節が内側に入りすぎないようにすることで、痛みが和らぐことがあります。
📚 参考文献
- 五十肩(肩関節周囲炎)|日本整形外科学会 症状・病気をしらべる(https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html)
- 五十肩(肩関節周囲炎)|日本臨床整形外科学会(http://www.jcoa.gr.jp/disease/shoulder/007/)
監修者情報
監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)









