医院名:あおと整形外科クリニック 住所:〒500-8315 岐阜県岐阜市島田東町41-1
電話番号:058-252-0220

コラム

2025.07.25

交通事故に遭った時、整形外科と整骨院、どちらに行けばいいの?

交通事故に遭われた際、身体に痛みや違和感があると「どこを受診すればいいんだろう?」と迷ってしまう方は少なくありません。特に、整形外科と整骨院のどちらを選ぶべきか、判断に迷うこともあるでしょう。
結論から申し上げますと、交通事故による怪我の場合、まず最初に整形外科を受診することをおすすめします。 その理由を詳しくご説明します。
交通事故後の身体の痛み、まずは整形外科へ
交通事故では、ご自身では気づかないうちに大きな衝撃を受けていることがあります。事故直後には痛みがなくても、数日経ってから首や腰、手足などに痛みやしびれが出てくるケースも少なくありません。
整形外科は、骨・関節・筋肉・神経など、運動器の専門家です。交通事故による骨折、脱臼、捻挫、打撲、むちうち(頸椎捻挫)などを診断し、適切な治療を行うことができる唯一の医療機関です。

整形外科を受診すべき理由

▪️正確な診断と適切な初期治療
整形外科では、医師が診察を行い、レントゲンやMRI、CTなどの画像検査を用いて、目に見えない骨の損傷や神経の圧迫、靭帯の損傷などを正確に診断できます。これにより、症状の原因を特定し、骨折や脱臼といった見落としてはいけない重篤な怪我がないかを確認できます。 例えば、むちうち一つをとっても、軽度の捻挫から神経症状を伴うものまで様々です。正確な診断が、その後の治療方針を決定する上で最も重要になります。 あおと整形外科クリニックでは、日本整形外科学会専門医である院長が、事故状況や症状を詳しくお伺いし、必要な検査を通じて適切な診断を行います。

▪️診断書の発行
交通事故の治療では、警察への届け出や保険会社への対応において、医師の作成する診断書が非常に重要になります。整形外科では、法的な効力を持つ診断書を作成することができます。診断書は、交通事故が原因で怪我をしたことを公的に証明するものであり、損害賠償請求を行う上で不可欠な書類です。 整骨院では診断書を発行できないため、警察に提出する人身事故の届け出や、保険会社への手続きが滞る可能性があります。

▪️専門的な治療計画
整形外科医は、診断に基づいて、薬物療法(痛み止め、湿布など)、物理療法(温熱療法、電気治療など)、装具療法(コルセット、サポーターなど)、注射療法(痛みや炎症を抑える注射など)といった様々な治療法を組み合わせ、患者様の症状に応じた治療計画を立てます。 あおと整形外科クリニックでは、患者様一人ひとりの症状や回復段階に合わせて、これらの治療法に加え、国家資格を持つ理学療法士による専門的なリハビリテーションも提供しています。

▪️保険会社との連携
整形外科は医療機関であるため、自賠責保険や任意保険といった交通事故保険の取り扱いに慣れており、保険会社との連携もスムーズに行えます。治療費の請求なども適切に対応してもらえます。

整骨院に行くのはどんな時?

では、整骨院は交通事故の怪我には向かないのでしょうか?そうではありません。整骨院は、柔道整復師という国家資格を持つ専門家が、手技による施術(マッサージ、ストレッチなど)や物理療法(電気治療など)を行う施設です。
整骨院は、以下のようなケースで利用を検討すると良いでしょう。

▪️整形外科での診断後、医師の同意がある場合
整形外科で医師による診察と診断を受け、骨折や重篤な神経損傷などがないと確認された上で、医師が「整骨院での施術も有効」と判断し、連携が取れている場合です。 特に、痛みの緩和や筋肉の柔軟性向上、身体のバランス調整など、手技によるアプローチが有効な場合に補完的な役割を果たすことがあります。

▪️より集中的な手技療法を受けたい場合
整形外科での治療と並行して、マッサージなどの手技によるアプローチをより多く取り入れたいと考える場合です。 ただし、この場合も、定期的に整形外科医の診察を受け、症状の経過を医師が把握しておくことが重要です。

当院では接骨院との併用を認めていません。

整骨院を選ぶ際の注意点

▪️診断権がない
整骨院は診断権を持っていません。そのため、初期の段階で整骨院に行くと、見落としてはいけない骨折や神経損傷などがある場合でも、適切な診断を受けられない可能性があります。 「レントゲンを撮ってみないとわからない」といった怪我の判断は、医師にしかできません。

▪️診断書は発行できない
整骨院では、法的な効力を持つ診断書は発行できません。警察への提出や保険請求に支障が出る可能性があります。

▪️治療費の立て替えが発生する可能性
保険会社によっては、医師の同意なく整骨院を受診した場合、治療費の支払いを認めてくれないケースや、一旦全額を立て替える必要があるケースもあります。必ず事前に保険会社に確認しましょう。

交通事故後の治療の流れとあおと整形外科クリニックの役割

交通事故に遭われたら、まずは落ち着いて以下の流れで対応しましょう。
1.警察への連絡と事故状況の確認
  加害者・被害者の情報、事故日時、場所などを記録します。
2.病院への受診
  身体に異常がなくても、必ず整形外科を受診しましょう。痛みがなくても、後から症状が出ることがあります。
3.診断書の発行依頼
  整形外科で医師に診断書を発行してもらい、警察に提出して人身事故の届け出を行いましょう。
4.保険会社への連絡
  ご自身の保険会社(および相手の保険会社)に事故と受診状況を連絡します。

あおと整形外科クリニックの対応

交通事故による怪我の患者様に対して、初期の診断から治療、そしてリハビリテーションまでを一貫してサポートしています。
▪️専門医による正確な診断
  日本整形外科学会専門医が、詳細な診察と画像検査(レントゲン、必要に応じエコーなど)を通じて、怪我の状態を正確に診断します。

▪️丁寧な治療計画
  患者様の症状や生活背景に合わせて、薬物療法、物理療法、注射療法などを組み合わせた最適な治療計画を立案します。

▪️専門的なリハビリテーション
  国家資格を持つ理学療法士が、痛みからの回復だけでなく、関節の可動域改善、筋力強化、バランス能力の向上、日常生活動作の再獲得、そして後遺症の予防を目的とした専門的なリハビリテーションを行います。 当クリニックでは、温熱療法、電気治療(干渉波治療器など)、ウォーターベッドなどの物理療法機器もあり、痛みの緩和や血行促進に役立てています。 また、超音波エコーガイド下でのハイドロリリース(筋膜リリース)も、筋肉や筋膜の硬さや癒着が痛みの原因となっている場合に検討し、痛みの早期改善を目指します。

▪️保険会社との連携サポート
  当院のスタッフが、保険会社とのやり取りや手続きについて、きめ細やかにサポートいたします。
交通事故による身体の痛みは、適切な時期に適切な治療を行うことが非常に重要です。初期対応を誤ると、後遺症に悩まされたり、保険会社とのトラブルに発展したりする可能性もあります。
もし、あなたが交通事故に遭われ、身体の痛みや不安を感じていらっしゃるなら、まずは信頼できる整形外科であるあおと整形外科クリニックへご相談ください。私たちは、皆様が安心して治療に専念できるよう、全力でサポートいたします。

FAQ

Q1:交通事故に遭ったら、痛みがなくても病院に行った方がいいですか?

A:はい、痛みがなくても必ず整形外科を受診してください。交通事故による怪我は、事故直後には症状が出にくく、数日経ってから痛みやしびれが出現することがよくあります。後から症状が出た場合でも、事故との因果関係を証明するためには、事故直後の受診記録が非常に重要になります。

Q2:整形外科と整骨院を併用することはできますか?

A:はい、医師の指示や同意があれば併用することは可能です。まずは整形外科で正確な診断を受け、治療計画を立ててもらうことが前提です。その上で、医師が整骨院での手技療法などが有効と判断した場合、連携しながら治療を進めることができます。必ず事前に保険会社に確認し、医師にも相談するようにしましょう。
当院では接骨院の併用は認めていません。

Q3:むちうちの治療は整形外科と整骨院のどちらが良いですか?

A:むちうち(頸椎捻挫)の場合でも、まず最初に整形外科を受診してください。むちうちの中には、神経症状を伴うものや、画像診断が必要なケースもあります。整形外科で診断を受け、骨や神経に異常がないことを確認した上で、医師の指示に従い、整形外科での治療やリハビリを進めるのが基本です。手技による治療を希望する場合は、医師と相談の上、整骨院の併用を検討しましょう。

Q4:交通事故の治療費は誰が払うのですか?

A:交通事故による怪我の治療費は、通常、相手方の自賠責保険や任意保険から支払われることになります。まずはご自身の保険会社に連絡し、その後の手続きについて指示を仰ぎましょう。整形外科であれば、保険会社とのやり取りに慣れており、窓口での治療費支払いが不要となる「立て替え払いなし」の対応をしてくれることが多いです。

Q5:治療が長引いた場合、後遺症の診断も整形外科でできますか?

A:はい、交通事故による怪我の治療が長引き、症状が固定(これ以上改善が見込めない状態)したと判断された場合、整形外科医が「後遺障害診断書」を作成することができます。この診断書は、後遺症の認定や損害賠償請求を行う上で非常に重要な書類です。整骨院では後遺障害診断書を作成することはできません。

📚 参考文献

▪️交通事故後の治療はどこへ行けばいい?整形外科と整骨院の違いについて解説 | むさし整形外科リウマチ科
https://musashi-seikeigeka.com/traffic-accident/
▪️交通事故後、病院と整骨院どっちに行けばいいの? | 川越総合法律事務所
https://kawagoe-law.jp/accident/hospital-bone-setting-room/
▪️交通事故にあったら整骨院ではなく病院を受診するべき理由|メディカルクリニック
https://medical.fujita-gr.com/column/20211105/

🔖 監修者情報

監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)