医院名:あおと整形外科クリニック 住所:〒500-8315 岐阜県岐阜市島田東町41-1
電話番号:058-252-0220

コラム

2025.05.26

五十肩(肩関節周囲炎)の治療とリハビリ完全ガイド

「最近肩が上がらない」「寝ていると肩の痛みで目が覚める」
そんな症状にお悩みではありませんか?
40代以降に多く見られる「五十肩(肩関節周囲炎)」は、ある日突然肩が動かしにくくなったり、夜間痛が強くなったりする疾患です。
放置すると長期的に関節の動きが悪くなることもあるため、早期の対応が重要です。

この記事では、岐阜市にあるあおと整形外科クリニックが、五十肩の原因・症状・治療法、そして当院で行っているリハビリまでわかりやすくご紹介します。

 

五十肩(肩関節周囲炎)とは?

五十肩は、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれる疾患で、肩の関節を取り囲む筋肉や腱、関節包などの組織に炎症が起き、痛みや動きの制限を引き起こす病気です。
「四十肩」とも呼ばれることがありますが、これは年齢層による俗称であり、同じ疾患です。

日常生活の中では、「腕が上がらない」「後ろに手が回らない」「服の着脱がつらい」といった症状が現れます。
主に40〜60代に多く、特に明確な外傷がなく発症するのが特徴です。

 

五十肩の原因と発症の仕組み

五十肩の直接的な原因ははっきりしていませんが、年齢とともに肩関節周囲の組織が硬くなり、血流が悪くなることが関係していると考えられています。
また、長時間のデスクワークや姿勢の悪さ、片側だけに負担がかかる動作などもリスク因子となります。

肩関節は人体の中で最も可動域が広く、複雑な構造をしています。
その分、炎症や拘縮(動きの制限)を起こすと、動作全体に大きな支障が出やすいのです。

 

五十肩の症状と進行ステージ

五十肩は以下の3つの時期(ステージ)に分けられ、時間の経過とともに症状が変化していきます。

① 炎症期(急性期)

  • 動かさなくてもズキズキと痛む
  • 特に夜間痛が強く、眠れないこともある
  • 少し動かすだけで鋭い痛みが出る

② 拘縮期(慢性期)

  • 痛みは軽減してくるが、関節の動きが制限される
  • 腕を上げたり、背中に手を回す動作が困難になる
  • 日常生活の不便さが目立つ

③ 回復期

  • 徐々に可動域が広がり、痛みも軽減してくる
  • リハビリによって機能回復を促すことができる

個人差はありますが、自然に治る場合もあれば、症状が1年~1年半続くケースもあります。

 

五十肩の診断方法と受診タイミング

診断は、問診・視診・触診・動作テストをもとに行われます。必要に応じて、X線や超音波検査、MRIなどの画像診断を行い、他の肩の疾患(腱板断裂、石灰沈着性腱炎など)との区別をつけます。

以下のような場合は、整形外科の受診をおすすめします。

数週間以上肩の痛みが続く
・夜間痛が強く、睡眠に支障がある
・腕が上がらない、後ろに手が回らない
・服の着脱や洗髪が困難になっている

放置すると関節が硬くなり、回復に時間がかかるため、早めの受診が大切です。

 

五十肩の治療法とリハビリ内容

治療の基本は、保存療法(手術をしない方法)です。ステージや症状に応じて、下記のような治療を行います。

◆ 薬物療法

  • 消炎鎮痛剤(内服・外用)を用いて痛みを緩和
  • 状況により、ステロイド剤の注射を行うこともあります

 

◆ 物理療法

  • 温熱療法や低周波などで血流改善と痛みの軽減を図ります

 

◆ リハビリテーション(運動療法)

あおと整形外科では、理学療法士によるマンツーマンのリハビリを実施しています。

  • 炎症期:安静を保ちつつ、痛みの出ない範囲で軽い動作訓練
  • 拘縮期:可動域訓練(ROM訓練)やストレッチ
  • 回復期:筋力強化や日常生活の動作改善

リハビリは無理をせず、段階的に進めることが回復の鍵です。

 

日常生活で気をつけたいポイント

  • 痛みのあるときは無理に動かさず、安静を優先
  • 冷やしすぎや温めすぎに注意
  • 荷物を持つ、洗濯物を干すなど、肩に負担のかかる動作は控えめに
  • 痛みが落ち着いたら、軽い体操を継続することが再発防止になります

 

  • あおと整形外科での診療とサポート体制

岐阜市のあおと整形外科クリニックでは、

・ 丁寧な問診と画像診断による正確な診断
・ 理学療法士による専門的な運動療法
・ 薬物療法・物理療法を組み合わせたオーダーメイド治療

を通じて、患者さま一人ひとりに寄り添ったサポートを行っています。

 

まとめ

五十肩は「年齢のせい」と我慢しがちですが、放置することで回復に時間がかかる場合もあります。
早期に整形外科を受診し、症状に合わせた治療とリハビリを受けることで、日常生活の不自由を軽減することができます。

「これって五十肩かも?」と感じたら、まずはお気軽にあおと整形外科へご相談ください。

 

❓【FAQ(五十肩に関するよくある質問)】

Q1. 五十肩は自然に治りますか?

  1.  自然に回復することもありますが、可動域の制限や慢性化を防ぐためには、早期に整形外科を受診し、適切な治療やリハビリを受けることが大切です。
    Q2. 肩が痛いのですが、五十肩かどうかは自分で判断できますか?
  1.  判断は難しく、腱板断裂や石灰沈着性腱炎など他の疾患の可能性もあります。早めに整形外科で診断を受けることをおすすめします。
  2. Q3. リハビリは痛そうで不安です。大丈夫でしょうか?
  1.  痛みの状態や回復ステージに応じて、無理のない範囲で行います。当院では理学療法士が一人ひとりの状態に合わせて丁寧にサポートしますのでご安心ください。
  2. Q4. 五十肩は再発しますか?
  1.  再発することはあります。
     そのために日常生活での姿勢や運動習慣が重要と考えています。
  2. Q5. 五十肩は何科を受診すればよいですか?
  1.  整形外科での診察が適切です。当院では診断から治療、リハビリまで一貫して対応可能です。

 

📚【参考文献】

  1. ・日本整形外科学会「肩関節周囲炎(五十肩)」
     https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/frozen_shoulder.html

  2. 🔖【監修者情報】

    監修:日本整形外科学会専門医 青戸 寿之(あおと整形外科クリニック 院長)